抜歯をして口臭を改善しようとした結果、、、
口臭の原因が歯だと思い、健康な歯を抜歯してしまった方がいる。
この間口臭治療で来院された患者さんもその一人だ。
その方は行動がおどおどとしていた。
久しぶりに、難症例の方かもと身構えた。
その患者さんは、何件もの歯科医院に行っているし、他にも耳鼻科や胃腸科にも行っている。
歯科医院で口臭について相談をすると口の中は正常と言われ、
他の臓器に問題があるのかと思い、他科を受診しているという感じだ。
自身でも「口臭対策」というキーワードで検索しては、色々なことを実践しているそうだ。
しかしあらゆることをやっても、口臭は改善しないと言う。
わたしは問診をして、患者さんの過去の事や現状の話をよく聞いた。
わたしは「必ずよくなる」と安心をしてもらいたかった。
口臭測定をする前に、まずは口の中を診させてもらった。
至近距離で話をしていても、口臭は気にならなかった。
歯肉の状態も良く、清掃状態も良好だった。
にもかかわらず、大切な歯が3本足りなかった。
どうしてだろう?
自分で歯を抜けるわけがないし、
他の歯医者で抜いたのだろうが、それにしても抜く理由がわからなかった。
視診が終わってからもう一度、患者さんに話を聞いた。
「左2本、右1本、歯を抜いていますが、どういう理由で抜いたのですか?」
驚くことに、患者さん自らが頼んで抜いてもらったそうだ。
最初、歯が原因で口臭がすると思ったらしく、
どうも左の第一大臼歯から臭うと思い込んでしまった。
そして、歯科医師に「ここから臭いがするので、抜いて欲しい」と頼んだ。
しかしながら、原因だと思った歯を抜いても口臭は治らなかった。
もしかしたら手前の歯と勘違いをしたのかも、ということでもう1本抜歯。
まだよくならず、反対側の歯も抜歯したそうだ。
結局3本抜いたところで、口臭の原因は歯ではないのかと思い、
抜歯による口臭改善はあきらめたそうだ。
そういえば学生時代に、教授から授業中こんな話を聞いたことを思い出した。
入れたばかりの差し歯が臭うと言われたそうだ。
どうしてもその歯が原因とは思えなかったが、患者さんに頼まれて抜歯をした。
そして要求は次から次へとエスカレートした。
結局全ての歯を抜歯したと言うのだ。
歯を全部抜いても、残念なことに口臭は治らなかった。
これは30年前の話だ。
当時は口臭を治すという考えはなかったのだ。
最後に、木馬歯科からお知らせです!
埼玉県狭山市にある石心会病院主催の講演会『石心会健康塾』に木馬歯科の院長が公演することになりました。
参加は申込不要・無料です。ぜひご参加ください!
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